Interview Series vol.07 福山工場長ダイエットクックサプライ 宇田恭子さん & 水呑カフェBoneu 鈴木大考さん

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毎月第3日曜日はiti SETOUCHIに福山市内や近郊の農家さんたちがお野菜や果物、お魚、美味しい焼き菓子やパンをもってやってくる「 #itiの第3日曜市 」
このシリーズでは第3日曜市運営メンバーが出店者さんにインタビュー!
イベントの中だけではなかなか知ることができない、出店者さんの魅力や商品についてお伺いします。

Interview Series vol.07
福山工場長
ダイエットクックサプライ宇田恭子さん
水呑カフェBoneu 鈴木大考さん

(宇田)「福山工場長」は、総菜を製造する食品メーカーであるダイエットクックサプライが展開しているブランドです。規格外の野菜や地元の野菜を使った商品ができないか、という弊社の社長の発案から、鈴木さんたちにお声かけをしてこの取り組みが始まりました。
農家さんには「規格外の野菜をなんとかしたい」「人手がたりない」などいろいろなお困りごとがあります。「農家の困りごとを魅力に変える」が福山工場長のコンセプトです。
現在のところ、カルツォーネ5種類、ピクルス3種類、トマトソース、ほか全11種類を商品化しています。いずれも長期保存が可能な商品としてラインナップしています。

◎鈴木さんは当初からこの取り組みに携わっていますが、どんなことを考えてましたか?
(鈴木)この企画が始まった当初、「福山産の〜」という価値は食品の流通上の魅力になり得ず、難しいと思いました。
例えば「北海道産じゃがいも」のポテトサラダならキャッチーだが「福山産じゃがいも」ではどう思われるか、その当時は地元の人たちに「福山産の〜」ではニーズもバリューも低かったと思います。
今は少し状況が変わってきたと思いますが、地元産の野菜に価値が見出されていない状況をなんとかしたいと思っていました。

◎水呑Cafe Boneuの鈴木さんと、福山工場長の鈴木さんという2つの立場で素材への向き合い方は違いますか?
(鈴木)自分自身、料理人としての長い経験の中で農家さんの困りごとにはずっと接してきたので、取り組むべき問題もある程度わかっていると思っています。
たとえば余剰野菜や不揃い野菜についても、個人のレストランと個人の農家という小さな関係性の中では消化できても、それは全体的な問題解決には程遠いことを感じていました。
しかし、ダイエットクックサプライという大きな企業がこういう形で農家の困りごとに向き合ってくれることで、解消できることが増えるのではないか、という可能性を感じています。
チームで商品開発を行うことは自分のお店でメニューを開発することとは別の面白さがありますし、そういう点で福山工場長のプロジェクトには自分のお店の仕事と同じくらいワクワクして取り組んでいます。

◎「福山工場長」というブランド名にはどんな思いが込められているのでしょうか。
(鈴木)商業と工業のまちである福山の人たちを食から支える立ち位置として「福山工場長」というブランドコンセプトが固まりました。
私自身、食に携わる仕事を続けてきて、家庭や小さなレストランで料理されているものが手作り、大量生産品は機械的なもの、という偏見がありました。ですがダイエットクックサプライのお惣菜づくりの工程はいわば大人数での手作り料理です。
ブランドに「工場長」というパーソナリティを持たせることで、加工食品であってもお客様との距離を縮められているのではないかと思っています。

◎この事業を担当していて面白いことはどんなことですか。
(宇田)私もこれまで飲食業やさまざまな経験をしてきましたが、元々6次産業に興味がありご縁もあって、この「福山工場長」の事業推進のために入社しました。
開発、販売、広報など福山工場長に携わる人や場をつなぐ担当としてイベント出店など様々な場所に出かけています。
この事業を通して人とのつながり、とりわけ農家の方とつながれることが楽しいです。
農家の方との会話からは学ぶことが多いです。
イチセトウチもその一つの場です。第3日曜市には毎月参加していますが、自分たちの商品を届けることはもちろんですが、他の出店者さんや常連のお客さん、面白い方々に出会える場となっています。
野菜を作っている人と直接関わることができ、鮮度など野菜への安心を求める人にも良い場所になっていると思います。
これからも出来るだけ出店を続けてそういった方との関係性を広げていきたいと考えています。